新人理学療法士へのメッセージ
カオスの中にこそパワーが
塚本 利昭
1
1弘前大学医学部附属病院リハビリテーション部
pp.392-393
発行日 2004年5月1日
Published Date 2004/5/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1551100482
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「○○君」,「○○さん」と,つい最近まで呼ばれていた皆さんが念願の理学療法士(以下PT)になり,就職したとたん「○○先生」と呼ばれる気分はいかがですか.ちょっと嬉しくて,かなり恥ずかしくて,すごく責任が重くて,そしてこれからの仕事への希望と意欲を感じている毎日ではないでしょうか.今の気持ちが,とても大切だと思います.私はPTになり今年で20年目に入りますが,いまだに「先生」と呼ばれるのになじめないでいます.それは,患者さんをはじめ,病院スタッフが求めるものに十分応えられていないのと,多くの人たちに支えられてなんとかこの仕事を続けられているという気持ちからだと思います.そんな私が皆さんにメッセージなどあるはずもないのですが,今までに出会った人たちのことや私なりに考えていることを少し書かせていただこうと思います.
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恩師との出会い
私は3年制の養成校を4年かけて卒業しました.田舎から出てきた私には刺激の強い人たちや誘惑が待ち受け,拒むことなくすべてを受け入れた結果,PTという職業に魅力を感じなくなり,学校へ行かなくなってしまいました.欠席が続き,学校を辞めようと考えていたとき,教官が私のアパートまで来て,私のことを心配しているということや,将来のことなどを話して励ましてくれました.私は教官の顔も見ず,布団の中で聞いていました.
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