Editorial
臨床問題の構造―Simple, Complicated, Complex, Chaos
藤沼 康樹
1
1医療福祉生協連 家庭医療学開発センター
pp.909
発行日 2010年12月15日
Published Date 2010/12/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1414102044
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病院勤務の医師は,病院医療にくらべて地域の診療所医療は比較的シンプルな問題を扱っているのではないか,という印象をもっていることが多いようだ.病院では確かに,疾患の重症度が高く,生死に関わる事態に対処することが多い.また,豊富な検査とハイテクノロジーのアクセス,手技・処置,手術などの種類も多く,使用される薬剤もきわめて多種多様である.
診療所家庭医の外来診療においては,主症状が咳嗽だとするとそれらの鑑別診断は呼吸器領域に限るわけではないし,臓器横断的に未診断の症状や症候に対応することも多い.心理社会的要因への対応も求められ,もともとある慢性疾患ケアや,予防医療的な関わりも必要とされる.要は診療のAgendaが多いのである.
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