綜説
胎児への愛着に関する研究結果と今後の課題
山本 あい子
1
1兵庫県立看護大学
pp.139-148
発行日 1996年4月15日
Published Date 1996/4/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1681900338
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はじめに
母親になる過程の中で,自己のアイデンティティを修正したり,また胎児や新生児,あるいは乳児との間で愛着を形成することは必要なことである。これらを経て,女性は「この子の母親」になるのだが,この過程は生まれた子供との相互作用を通して,分娩後約1年後に完全に達成されると言われている(Mercer,1986a,b)。しかしここに至る過程は,妊娠中から既に始まっている。
Reva Rubin(1984),Benedek(1970),Deutsch(1945)らは,妊婦が胎児との間で愛着を育てることは,子を生み育むための必要要件であると述べている。
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