焦点 看護ケアの質の評価に関する研究
原著論文
看護婦-患者関係における信頼を測定する質問紙の開発—信頼の構成概念と質問紙の項目の作成
岡谷 恵子
1
1日本看護協会看護研修学校
pp.275-285
発行日 1995年8月15日
Published Date 1995/8/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1681900307
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はじめに
看護ケアは,看護婦と患者の関わりを基盤として行なわれるものである。看護は患者の生活や,時には人生にまで深く関わる仕事であり,患者との良好な関係なしには,効果的なケアを提供することは難しいと思われる。
Riemen(1986)や大川(1993)の研究結果は,患者が人として尊重されなかったり,気持ちが無視されたり,話をよく聞いてもらえなかったり,あるいは看護婦が事務的で心づかいが感じられなかったりすると,患者は傷つき,自分のコントロール感を失って無力になるということを示している。特に慢性疾患患者のように,一生病気と共存して生活しなければならない患者にとって,看護婦-患者関係は,患者が自分の力を信じて,自分で病気やストレス状況をコントロールしていけるような,患者にとって安心できる環境とならなければならないと考える。
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