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特集 地域で子どもたちを支える—「参加」を支援すること
「こどもの参加質問紙」—参加はどこまで測定できるのか?
The participation questionnaire for preschoolers: to what extent can participation be measured?
中村 拓人
1
Takuto Nakamura
1
1神奈川県立保健福祉大学
pp.541-547
発行日 2025年6月15日
Published Date 2025/6/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.091513540590060541
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Key Questions
Q1:作業療法士はなぜ「参加」を測定する必要があるのか?
Q2:作業療法士はどのように「こどもの参加質問紙」を活用できるか?
Q3:「参加」を測定することはどのような可能性と限界があるのか?
作業療法士は本当に子どもたちの「参加」を支援できているのか?
「参加」は作業療法に不可欠な概念である.国際生活機能分類(ICF)において「生活状況への関与」と定義されたこの概念は,多くの作業療法実践モデルの理論的基盤に浸透し,私たちの臨床思考過程の中に深く組み込まれている1,2).また,参加は,作業療法のアウトカムそのものでもある.参加は,家族と食事を共にしたり,学校で友だちと遊んだり,近所の公園に出かけたり,日々の作業を遂行することによって達成される2).そのため,私たち作業療法士は参加を直接的に支援できる専門職としての役割を担っている.そして,それゆえに,作業療法がいかに参加を支援できているかを振り返り,実践を新たにしていくことは,私たちに不可欠な営みである.
実際に,作業療法士は日々の実践の中でクライエントの参加について考え,よりよい実践のための試行錯誤を繰り返している.たとえば近年,子どもたちを対象とした作業療法の学会や書籍でも,参加に関するトピックが頻繁に取り上げられている.実践報告においても,学校や家庭での参加に焦点が当てられるようになり,参加を支援するための介入アプローチも次第に普及しつつある3,4).

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