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研究と報告
質問紙法によるメランコリー型性格の測定—F-List(Zerssen)日本語版の信頼性と妥当性
The Measurement of Typus Melancholicus Using Questionnaires: reliability and validity of Zerssen's F-List
佐藤 哲哉
1
,
坂戸 薫
2
,
小林 慎一
3
Tetsuya Sato
1
,
Kaoru Sakado
2
,
Shinichi Kobayashi
3
1新潟市民病院精神科
2新潟大学医学部精神科
3松浜病院
1Department of Psychiatry, Niigata City General Hospital
2Department of Psychiatry, Niigata University School of Medicine
3Matsuhama Hospital
キーワード:
Major depressive disorder
,
Typus melancholicus
,
Selfrating questionnaire
Keyword:
Major depressive disorder
,
Typus melancholicus
,
Selfrating questionnaire
pp.139-146
発行日 1992年2月15日
Published Date 1992/2/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1405903193
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【抄録】 うつ病の病前性格として重視されるメランコリー型性格を客観的に把握するために,Zerssenによって作成された自己評価式質問紙であるF-Listの邦訳を行った。正常者群74名,単極性大うつ病の患者群49名を対象に,F-List日本語版のメランコリー型性格得点(TM得点)の信頼性と妥当性を検討した。
TM得点は,再検査法で良好な信頼性を示し,我が国ですでに用いられている笠原の質問表得点と強い相関を示した。また,患者群のTM得点は,正常者群のそれより有意に高かった。以上より,F-Listは,単極性うつ病の病前性格を正常者の性格傾向から峻別する上で有用で再現性の高い質問紙法であると考えられた。
TM得点は,単極性うつ病の病前性格を把握する上で,笠原の質問表より鋭敏性が低かった。このことから,F-Listにはさらに改良の余地があること,うつ病病前性格に関する国際間比較の必要性を指摘した。
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