STUDY&REVIEW
臨地実習における教師の学生へのかかわり方について—学生(1事例)のコーピング分析を通して
楢木野 裕美
1
1大阪府立看護短期大学
pp.329-335
発行日 1990年7月15日
Published Date 1990/7/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1681900258
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はじめに
看護学の教育に大きな比重を占めるのは臨地実習である。臨地実習は,科学的理論を追求しながら現実の厳しい看護の場で学生が考えて実践し,その実践を通して看護を思考していく機会となる。しかし,臨地実習の期間中,学生が一対一で患者とかかわれる体験は限られている。だから数少ない体験をより生かし,質の高い体験ができるように教師は介入していく必要があり,臨地実習指導は,特に教師の力量を問われると言える。
E. ウィーデンパックは,臨床教育において教師に,教育の分野と教えているその分野との2つの能力を求めている1)。このことは,教師に患者と学生の両者を同時にとらえる必要のあることを示していると考えられる。教師は,学生が患者を全人的に把握してケアできるよう指導するが,同時に教師のその指導が,学生をも全人的に把握した上でなされるものでなければならないだろう。
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