焦点 老人ケアの教育とカリキュラム
解説
高齢者を中心とした訪問看護の研修
佐藤 美穂子
1
1日本看護協会・訪問看護開発室
pp.485-496
発行日 1994年12月15日
Published Date 1994/12/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1681900220
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
はじめに
在宅で障害や健康問題を抱えながら生活している高齢者,在宅療養者は年々増える一方で,社会が担う看護・介護サービスへの期待はますます増大している。在宅を基盤にした「高齢者保健福祉推進10か年戦略(ゴールドプラン)」も5年目を迎えた。先ごろ発表された「21世紀福祉ビジョン」では,サービス量の不足と保健・医療・福祉にまたがるサービスを利用者本位に提供することの必要性などを掲げ,また老人訪問看護や福祉用具の普及事業も加わってきたため,早急にプランの見直しを必要としている。
西暦2000年に5千か所の設置目標を掲げ,1992年4月にスタートした老人訪問看護ステーションは,2年を経た1994年3月末で389か所の開設にとどまっている(厚生省老人保健課)。すでに,老人保健事業の訪問指導と医療機関からの訪問看護・指導(いずれも1983年より開始)が進められているが,「いつでもどこでも,誰でも利用できる」成熟したサービスに発展させるためには,制度上の改革と,訪問看護婦のやりがいにつながる種々の対策を積極的に進め,地域に訪問看護婦を根付かせる必要がある。その基盤づくりの1つが,社会に認められ,信頼される専門職の育成にあり,看護の質を高めるための研修である。
Copyright © 1994, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.