NURSING EYE
看護教育におけるCAIの位置づけ
森川 浩子
1
1福井大学大学院教育学研究科
pp.544-546
発行日 1993年7月25日
Published Date 1993/7/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1663900618
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はじめに
CAI(Computer Assisted Instruction)はコンピュータ支援教育と訳されている.我が国におけるCAI研究は1960年代後半より始まるが,本格的に教育現場に普及するようになったのは,1985年臨時教育改革審議会(臨教審)の答申が出てからである.その後ハードウェア導入が急速に進み,1992年3月末では小学校50.2%,中学校86.1%,高校99.4%という状況であり,ほぼ今年度中に中学・高校では導入を完了すると言われている.また1992年に発表された新学習指導要領の実施に伴い,小学校でコンピュータ教育の完全実施がなされるなど,教育現場でのコンピュータ導入はこの8年間に大きく様変わりした1).
臨教審がこのように強力にCAIを押し進める目的は,これまでの工業社会の要請によって行なわれてきた教育を,21世紀の高度情報化社会の要請にかなう教育へと変革することにある.つまりこれまでの記憶中心の詰め込み教育ではなく,思考力や創造性を育成し,情報を使った問題解決能力,自己表現能力を高めることを重視している.その目的の達成には,従来の一斉教育下での教育では不十分であり,学習者個々の主体的な学習を支援することが必要であり,コンピュータは極めて優れた教育機器である2).
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