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看護婦教育における看護学総論の位置づけ
波多野 梗子
1
1神奈川県立衛生短期大学
pp.752-760
発行日 1972年12月25日
Published Date 1972/12/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1663906639
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Ⅰ.看護学総論を考えるための看護の基本的性格
本論文では,看護婦教育において看護学総論(以下‘総論’と略す)が,どのような位置をしめており,どのように教えられねばならないかを論ずる.
‘総論’は,看護全体の基礎的知識を理解させ,様々に異なった健康の問題をもつ人間の援助をするさいに,その応用が可能なように導く,という目的をもっている.看護では具体的な個人に対する援助が必要であるが,それらに共通して存在する看護の考え方や,知識・技術があり,これらを習得したのち対象による看護のちがいへと進むことが学習を容易にするであろう.その意味で,‘総論’は看護学の教育全体の基本的方向を示しており,‘総論’での考え方はそのまま‘各論’に引き継がれるべきである.このような‘総論’の教育がどのような内容をもちどのようにして教えられるべきかは,第1に,看護をどう考えるかにもとづいて決定されよう.
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