焦点 感染予防に関する看護研究
文献展望
在宅感染予防に関する文献学的研究—MRSA,一般細菌を中心に
川村 佐和子
1
1東京医科歯科大学医学部保健衛生学科
pp.296-304
発行日 1994年8月15日
Published Date 1994/8/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1681900208
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
I.在宅感染予防の課題と背景の変遷
1.感染源および感染症対策
従来の感染症はコレラなど伝染性が強く,致死率が高いことによって恐れられていた。感染予防は伝染病予防法が制定され,社会防衛的な対策が講じられていた。
しかし,現在話題となっている感染源は感染性が弱く,日和見感染も多く,必ずしも発症率が高いとは言えない。一方,常在細菌の変異であるもの,抗生剤の濫用により引き起こされる医原性とも言える発生背景をもっているものもある。また,後天性免疫不全症候を引き起こすHIVなどの存在が明らかになり,新たな感染症課題も出ている。
Copyright © 1994, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.