研究論文集 原著論文
末期癌患者の看護に携わる看護婦の実践的知識
菅原 邦子
1
1天使女子短期大学衛生看護学科
pp.486-502
発行日 1993年10月15日
Published Date 1993/10/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1681900161
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Ⅰ.はじめに
末期医療に対する社会的な変化に伴い,末期医療における対応力のあるスタッフの育成は,厚生省の末期医療のケア検討会においても重要な研究課題となっている1)。
これまでの研究によると,ホスピスなど癌専門病院で末期癌患者への看護に携わる看護婦と,一般病院の看護婦とては,対応力に違いがあること,さらに,経験を積んだ着護婦は,困難を感じてはいるものの何らかの対応能力を獲得していることが示唆されている。しかし,末期癌患者の看護に携わる看護婦の最大の課題は,告知されている,されていないにかかわらず,患者とのコミュニケーションや看護婦自身の心理的防衛など看護婦自身の対応能力に関するものであると言われている。また,看護婦の対応に影響する要因として,看護婦の死生観,経験の質,チームアプローチなどがあると報告されている。
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