研究論文集 原著論文
子宮全摘出術の決意時における患者の納得の仕方—子宮筋腫の患者に焦点をあてて
秋元 典子
1
1済生会波崎済生病院看護部
pp.503-513
発行日 1993年10月15日
Published Date 1993/10/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1681900162
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Ⅰ.はじめに
子宮筋腫に対する根治的治療方法としての子宮全摘出術は,婦人科領域で行なわれる最も頻度の高い手術となっており,日本では年間約15万人がこの手術を受けていると言われている1)。このことは,老人保健法によって癌の集団検診が強化されたこと2)による子宮筋腫発見の機会の増加,および子宮筋腫の治療は手術療法こそが完全な治療方法と信じられていること1)が影響していると考えられ,手術を勧められる女性は今後ますます多くなっていくと予想される。
しかし子宮全摘出術は,解剖学的構造の変化だけでなく出産および月経機能を停止させるため,術後性的トラブルや不定愁訴,あるいは抑欝などさまざまな生理的・心理的問題を引き起こしやすいと言われている3)。
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