特集 日本看護診断研究会・第2回学術集会報告
一般演題
7.「安楽の変調」「不安」に対する看護婦の認識—その傾向と問題点
梶原 明子
1
,
前田 しのぶ
1
1公立日高病院
pp.168-170
発行日 1993年2月28日
Published Date 1993/2/28
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1681900129
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はじめに
すでに知られているように,看護診断は看護の質を向上させるためにきわめて有用であり,当院でも3年前にPOS(Problem Oriented System)を導入する際取り入れ,今日まで取り組んできた。しかし,実際に取り入れてみると,いくつかの問題点が明らかになってきた。1つは,診断名として使用されている表現が難解であったり,抽象的なものが多くなじみにくいことである。また,日常の臨床においては,患者はさまざまな問題を抱えており,それらを分析・診断していく際に当てはまる診断名が見つからない場合もあるという点,更には,主観的要素が多く,看護者により判断に偏りがあるという点である。
これらの問題を解決するために学習会を重ね検討したが,残念ながら諸問題を解決するまでに至っていない。そこで,まず内科病棟入院患者97名に対し立案されているプロブレム153件を検討し,その中で診断名としてよく使っている「安楽の変調」「不安」に対する看護婦の認識を質問紙法により調査した。その結果,統一された概念で使っておらず,看護婦個々の考えで診断している現況をつかんだ。
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