特集 質的研究と研究倫理—研究を育てる倫理の在り方再考
扉
坂井 志織
1
1淑徳大学看護栄養学部
pp.420-421
発行日 2024年10月15日
Published Date 2024/10/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1681202242
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看護研究を実施するにあたり,研究倫理はいまや避けては通れないものになっている。筆者が修士課程に在籍していた頃,ある教授が,「今後は倫理審査がますます厳しくなり,質的研究が困難になる時代が来る」と予言のように話されていたことを覚えている。当時は何を意味することなのかも見当がつかなかったが,約20年が経過したいま,その予言が現実となったことを,研究に取り組む度に実感している。このままでは看護における質的研究が萎縮・狭小化してしまうのではないか—このような危機感が,本企画の背景としてある。
ただ,嘆いてばかりはいられない。まずいま起きていることを整理し,課題をクリアにしたい。そして,建設的な提案を示すことを通して,この問題を共に考える機運を醸成し,質的研究の発展的な未来を創っていきたいと考えている。
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