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RE-AIMとは
RE-AIM(Reach, Effectiveness, Adoption, Implementation, and Maintenance)は,実装科学における理論的アプローチの中でも,実装を評価するフレームワークとして位置づけられている。これは,健康増進に関する介入が参加者の健康アウトカムにどのような効果をもたらしたかを評価するだけでなく,介入が実装された際の地域社会や臨床現場における影響度を評価するフレームワークとして,Glasgowら(Glasgow, Vogt, & Boles, 1999)によって提唱された。Reach(到達),Effectiveness(効果),Adoption(採用),Implementation(実施),Maintenance(持続)の5つの側面から実装の成果を評価するものであり,5つの頭文字をとってRE-AIMとしている。
一般的に,臨床的な介入研究は,理想的でコントロールされた条件の下で示される効能(Efficacy)を評価することに重きを置いている。しかし,その成果をプログラムや政策として実際に現実世界に導入する場合,セッティングの状況や目標,目的に合った測定によって評価される必要がある。地域社会や臨床現場における介入は複雑で状況に依存するため,一般化可能性を評価するのは難しい(Burchett, Blanchard, Kneale, & Thomas, 2018)。Glasgowら(1999)は,現実世界では介入について個人,環境,政策など多層的に,複数のレベルでの評価が不可欠であるとし,5つの側面で構成されるRE-AIMの活用が有益であるとしている。
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