特集 RCTのその先へ—現実世界に応える介入研究デザインの探求—Dr. Ivo Abraham特別講演を中心に
—講演2—RCTが不可能なとき—観察研究での原因と結果の探求
Ivo Abraham
1
,
坂下 玲子
2,3
Ivo Abraham
1
1Pharmacy Practice and Science, The University of Arizona
2兵庫県立大学
3兵庫県立大学看護学部
1Pharmacy Practice and Science, The University of Arizona
pp.27-39
発行日 2023年2月15日
Published Date 2023/2/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1681202065
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では,講演2を始めましょう。講義1よりも細かい話になると思いますが,できるだけわかりやすく説明します。
まず講義の前提として,無作為化(ランダム化)ができないという状況を設定します。変数が多すぎたりリソースがなかったりなど,なんらかの理由で無作為化比較試験ができない状況です。それでも,実際に効果があったと推論することは可能です。観察研究などであれば,専門的な推論を用いて,原因や効果について結論を導き出すことができます。無作為化比較試験とのたった1つの違いは,まさに無作為化していない点です。すなわち,ある介入と,特定の望ましい結果との間に考えられる原因と効果の関係を評価するために,無作為化比較試験の原則と方法を使用していないとうことです。
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