連載 「勘違い」から始める臨床研究―研究の旅で遭難しないために・3
RCTは常に最強のデザインである?
福原 俊一
1,2
,
福間 真悟
3
1京都大学医学研究科社会健康医学系専攻医療疫学
2福島県立医科大学臨床研究イノベーションセンター
3京都大学医学部附属病院臨床研究総合センター(iACT)
pp.695-700
発行日 2014年8月25日
Published Date 2014/8/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1408103121
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この20年で,わが国でもEBM(evidence based medicine)が徐々に普及し,定着しました.これは大変よいことだと思われますが,一方でいろいろな勘違いや思い込みも生みました.そのひとつが,「RCTは常に最強のデザインである」という「RCT至上主義」とも言える教条的な考え方です.RCTは,予防や治療の効果を科学的に評価する目的には最強のデザインですが,他の目的には必ずしもそうとは限りません.また同じRCTの研究でも,その質に大きなばらつきがあり,十把一絡げにRCTだからエビデンスレベルが最も高いと盲目的に判断するのは考え物です.
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