特集 地元創成看護学の可能性—地元から看護学を創るために
—【鼎談】—地元と連携し新たな看護学の創成をめざす—看護系大学の役割と取り組み
吉沢 豊予子
1
,
西村 ユミ
2
,
太田 喜久子
3
,
神原 咲子
4
1東北大学大学院医学系研究科
2東京都立大学大学院人間健康科学研究科
3日本赤十字看護大学
4神戸市看護大学
pp.450-460
発行日 2022年10月15日
Published Date 2022/10/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1681202024
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地元創成看護学の端緒と経緯
吉沢 本日はありがとうございます。この鼎談では,地元創成看護学について主に研究の視点から,さまざまに議論を進めていきたいと思います。まずは,地元創成看護学が提唱されて現在に至るまでのプロセスについて,簡単に整理しておきたいと思います。
地元創成看護学は,わが国に「地方創生」という考え方が広がってきた際,第23期〔平成26年(2014年)10月〜29年(2017年)9月〕の日本学術会議生活・健康科学委員会看護学分科会において,看護学に地方創生をどう取り入れていくかについて議論されたのが1つの契機になっていると思います。当時はまだ「地元創成」という言葉はありませんでしたが,この頃から,「地方」「地域」という視点と共に,「地元に根づいた看護学」というものがあったほうがよいのではないか,という考え方が生まれてきたと思います。
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