特集 訪問看護の新たな展望
【鼎談】訪問看護の新たな展望―困難な時代をどう乗り越えるか
石原 美和
1
,
当間 麻子
2
,
望月 弘子
3,4
1厚生労働省老健局計画課
2医療法人偕行会・在宅医療事業部
3(社)山梨県看護協会
4医療法人笹本会
pp.94-102
発行日 2004年2月1日
Published Date 2004/2/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1688100469
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本誌 ベテランの管理者の間には「訪問看護ステーションが元気を失くしているのでなんとかしなければ」という危機意識が共通してあります。しかし,この景気ですから介護報酬,診療報酬の伸びは期待できないし,何よりもみなさんが心配されているのは,訪問看護をやりたいという人が減ってきていることです。都市部でも地方でもステーションの求人難が続いている。訪問看護はこれまで,看護師の裁量権も大きいし,生活の中で利用者に密着したケアができるというプラスのイメージで捉えられてきたのが,介護保険制度下では介護支援専門員が立てるサービス計画の中で窮屈な思いをしたりということもあってか,なんだかみなさんお疲れになっているように見えます。求人難になってきているのも,仕事の大変さばかりが目だってあまり魅力のある仕事ではないという見られ方をされ始めているのかも知れません。訪問看護制度が始まっておそらくはじめて経験するこういった危機的状況の中で,夢を語れるようなテーマがどこかにないかとみなさん求めていらしたんだろうと思うのです。
ということで企画したのがこの鼎談です。地域で訪問看護ステーションも小規模多機能施設を展開していけるような話が厚生労働省でも出ているとうかがいました。また,あと1年半後に迫ってきた介護保険制度の改革に向けて,訪問看護ステーションも将来のグランドデザインを描いておく必要があるのではないかと思うのです。ところで,お役所の仕事というのがわれわれには見えにくい部分があります。この仕事に石原さんがどのようにかかわられているのかをまず簡単にご説明願えますでしょうか。
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