特集 エビデンスを臨床実践に活かす挑戦—JBIを契機とする臨床実践と研究者の協働
【2 EBPに向けたシステマティックレビューの重要性】
—2-4 ガイドライン作成のために—ガイドラインを作成する上でいかにシステマティックレビューが重要か
小林 成光
1,2
,
増島 麻里子
3
,
石丸 美奈
4
1千葉大学大学院看護学研究科先端実践看護学研究部門博士後期課程
2防衛医科大学校医学教育部看護学科
3千葉大学大学院看護学研究院先端実践看護学研究部門
4千葉大学大学院看護学研究院生活創成看護学研究部門
pp.224-230
発行日 2021年6月15日
Published Date 2021/6/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1681201878
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診療ガイドラインとは
現在,世界中で年間に莫大な数の研究成果が公表されているが,それらをすべて個人の能力でアップデートしていくには限界がある。また,個人による研究結果の解釈は,恣意的な判断になる可能性を含む。そこで,最善の医療を提供するためにも,ある時点における信頼性の高い最新のエビデンスに基づいた研究を集約し,最善の日常診療およびケアの方法を推奨として提示することが重要となる。
診療ガイドラインは,「健康に関する重要な課題について,医療利用者と提供者の意思決定を支援するために,システマティックレビュー(以下SR)によりエビデンス総体を評価し,益と害のバランスを勘案して,最適と考えられる推奨を提示する文書」(Minds診療ガイドライン作成マニュアル編集委員会, 2021, p.3)と定義され,上記の課題を解決に導き,医療の質の向上を図るために重要な役割を担っている。
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