特別記事
介護予防をめざす医療介護給付データ分析と自治体・大学との研究協働—南大阪医療介護(SOHA: the Southern Osaka Health and Aging)スタディ
河野 あゆみ
1
,
福島 奈緒美
2
,
三浦 剛
3
,
金子 勝規
4
,
石原 拓磨
5
,
吉行 紀子
1
1大阪市立大学大学院看護学研究科在宅看護学領域
2和泉市高齢介護室
3大阪府高齢介護室
4大阪市立大学大学院経済学研究科
5岐阜大学医学部附属病院先端医療・臨床研究推進センター
pp.198-204
発行日 2020年6月15日
Published Date 2020/6/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1681201765
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要支援高齢者に対する介護予防をめぐるエビデンス
(河野あゆみ)
高齢者のフレイルが問題視されて久しい。フレイルとは,加齢などにより脆弱性が高まり,要介護状態などに陥りやすい中間的段階を意味し,①健常な状態に戻る可逆性が高い,②身体・心理精神・社会面など多面的に機能が低下している,③適切な支援や生活の工夫などによって在宅生活を継続できる,という3点がその特徴として挙げられる。すでに人口の約28%が65歳以上の高齢者であるわが国では,フレイルな高齢者に持続可能で有効な介護予防を展開することは,優先度の高い課題である。
要介護認定区分上,軽度者である要支援認定者註1の高齢者のうち,筆者らの調査(2016年に実施)(吉行,河野,2020)では,「フレイルあり」の高齢者は,50〜80%を占めており,介護保険制度で把握しやすい要支援高齢者に着目することは,フレイルを予防・解消する上で効率がよい。
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