1ページ講座 介護保険のポイント・3
介護保険の財源と給付
香川 幸次郎
1
1岡山県立大学保健福祉学部保健福祉学科
pp.214-215
発行日 2001年3月15日
Published Date 2001/3/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1551105769
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介護保険制度における財源は大きく二者に分けられ,保険料と国,都道府県そして市町村の負担金である.前者は第1号被保険者および第2号被保険者が納める保険料であり,第1号保険料は財源全体の17%を,第2号保険料は33%を占め,これら二者で財源の5割を賄っている.第1号保険料は,介護保険に要する費用の見込額から,第1号被保険者が保険料として支払う額を算定し,次に第1号被保険者数から基準となる額を定めた後,所得段階別の保険料を算定する.保険料は5段階に設定されており,第1段階(基準額に4分の2を乗じた額;老齢福祉年金受給者,生活保護者),第2段階(4分の3を乗じた額,市町村民税世帯非課税者),第3段階(基準額;市町村民税本人非課税者),第4段階(4分の5を乗じた額;市長村民税課税者で基準所得未満の者),第5段階(4分の6を乗じた額;市長村民税課税者で基準所得を超える者)である.保険料の額は市町村によって異なっており,サービスを多く給付する市町村ほど保険料が高くなる.全国の平均保険料の基準額は2,885円であり,全市町村の90%が2,000円から4,000円未満の基準額である.なお,保険料は保険財政の安定化を図るため,3年ごとに見直すこととなっている.
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