増刊号 臨床血液検査
I.形態学的検査
1.形態学的検査の実際
10)Southern blot法
池田 健
1
,
西井 一浩
2
,
北 堅吉
2
1山田赤十字病院内科
2三重大学医学部第二内科
pp.71-76
発行日 1991年6月15日
Published Date 1991/6/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543906485
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はじめに
造血器腫瘍の診断,研究において急性白血病のFrench-American-British(FAB)分類や非Hodgkinリンパ腫のLymphoma Study Group(LSG)分類に代表される純形態学的側面に加え,表現型解析,すなわち表面膜抗原を中心とした表現型に基づく分類がそれらの臨床病態と密接な関係が認められ,高い有用性が得られている.
近年の分子生物学や遺伝子工学の目覚ましい進歩により免疫グロブリン遺伝子やT細胞抗原受容体遺伝子が,多彩な抗原の認識に遺伝子構造の組換え(再構成)により対応していることが明らかにされ,後述するように各種造血器腫瘍の系統の決定や単一性の証明に遺伝子型解析が導入されるようになってきた.この稿においては,Southern blot法1)を用いるDNA診断法について血液腫瘍における免疫関連遺伝子のDNAプローブを用いた結果を中心に概説する.
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