連載 医療と法の潮流を読む・4
医療と介護が協働する時代
和泉澤 千恵
1
,
宇都木 伸
2
,
三木 知博
3
1国立成育医療研究センター 臨床研究教育部生命倫理研究室
2東海大学
3武庫川女子大学薬学部
pp.710-714
発行日 2017年9月1日
Published Date 2017/9/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541210550
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■医療と介護の連携が不可欠な時代
医療提供施設に限らず,在宅をはじめ多様な場で生活を送る,医療と介護の双方を必要とする者が多くなってきている.これらの者に対して,誰が,どのように関わって,必要な医療や介護を提供するのかという課題が突きつけられている.
例えば,痰の吸引という医行為は,本来は医療職によって行われるべき行為である.ところが,家庭・教育・福祉の場において,これを家族が24時間担っており,その負担軽減が問題となっていた.このため,当面のやむを得ない措置として,ヘルパーや養護教諭など家族以外の非医療職が,一定の条件の下で例外的に痰の吸引を実施しているという実態があった注1.
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