特集 看護研究における報告ガイドライン2
看護研究で念頭に置いておきたい報告ガイドライン30
StaRI [Standards for Reporting Implementation Studies(StaRI) Statement]—実装研究の報告基準に関するStaRI声明
廣岡 佳代
1
,
松本 佐知子
2,3
,
深堀 浩樹
4
1慶応義塾大学大学院健康マネジメント研究科
2社会福祉法人聖隷福祉事業団藤沢エデンの園一番館
3聖路加国際大学大学院看護学研究科博士後期課程
4慶応義塾大学看護医療学部老年看護学分野
pp.116-117
発行日 2020年4月15日
Published Date 2020/4/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1681201736
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概要
これまで,ランダム化比較試験(RCT)などから得られた知見をもとにさまざまなガイドライン等が開発されてきたが,これらの知見をどのように保健医療など実践の場において普及させ,実装していくかが課題となっていることから,近年,実装研究(implementation research)が注目されている。実装研究とは,何が機能して,何が機能しなかったのかだけでなく,実装がどのように,なぜ成功あるいは失敗したかを理解し,それを改善するための方法を検討していく研究である(WHO, 2013)。つまり実装研究は,根拠に基づいた介入を実践と政策に体系的に組み入れるための科学的な研究方法である。しかし,この実装研究の研究例や方法論等については,これまで十分に報告されていない。
StaRIは,透明性と正確性を担保する実装研究を報告するためのガイドラインとして,Pinnockらによって開発された(Pinnock et al., 2017a)。StaRIには,チェックリストおよび,その詳細と解説(E&E)がある(Pinnock et al., 2017b)。StaRIの使用により,根拠に基づく介入の実装戦略と介入の効果的な記述が可能となる。また,実装戦略の活用により,効果的な介入を通常の実践で活用することが可能となる。
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