Japanese
English
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
- 参考文献 Reference
概要
CONSORT声明は,被験者をランダム(無作為)に各群に割り付け,介入群に割り付けられた被験者に対してのみ介入し,各群の結果を比較するランダム化比較試験(Randomized Controlled Trial;以下,RCT)を報告するためのガイドラインである。RCTは,背景因子によるバイアスを回避し,客観的に介入効果を評価することを目的とした研究方法であり,一次研究としては最もエビデンスレベルが高い研究方法と位置づけられている。また,RCTはさらにエビデンスレベルの高い二次研究であるメタ分析を含んだシステマティック・レビュー(本特集のPRISMA声明を参照,pp.34-39)の基盤となる研究手法でもある。
しかし,RCTによって示されるエビデンスは,厳格性をもって計画・実施され,そのプロセスが透明性をもって報告されることが前提であり,方法論的な厳格性を欠いていた場合は,バイアスの入った結果を生み出すことになってしまう。そのため,RCTを適切に評価するためには,その研究方法と結果について,明快で,透明性の高い情報が論文にて報告される必要がある。本稿で紹介するCONSORT声明はRCTの報告を改善するために開発され,現在では世界中で広く用いられている。
CONSORT声明は1996年にBeggらによって初版が開発され(Begg et al., 1996),2001年の改訂を経て,最新版は2010年にShultzらとThe CONSORT Groupによって発表された(Schulz,Altman,Moher,for the CONSORT Group,2010)。この論文は,BMJ,Lancet,Obstetrics and Gynecology,PLoS Medicine,Annals of Internal Medicine,Open Medicine,Journal of Clinical Epidemiology,BMC Medicineといった国際誌において無料で公開(オープンアクセス)されている。また,津谷らによって翻訳された日本語版が2010年に「薬理と医療」誌に掲載され(津谷,元雄,中山訳,2010)(2016年に成書としてまとめられている。前ページの「ガイドラインの入手方法」参照),現在はCONSORT公式ウエブサイトにおいて無料で公開されている。
Copyright © 2020, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.