増刊号特集 臨床実践を研究につなげる
2 臨床研究の視点
『看護研究』誌公開収録セミナー
臨床の素朴な疑問から,研究で使えるリサーチクエスチョンを立ち上げよう
森田 光治良
1,2
,
廣瀬 直紀
3,4
1東京大学大学院医学系研究科公共健康医学専攻臨床疫学・経済学教室
2東京大学大学院医学系研究科公共健康医学専攻臨床疫学・経済学教室博士課程
3東京大学大学院医学系研究科公共健康医学専攻臨床疫学・経済学教室修士課程
4Nursing academia
pp.289-305
発行日 2019年7月15日
Published Date 2019/7/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1681201647
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廣瀬 皆さま,本日はありがとうございます。まずは今回のセミナーの趣旨を説明したいと思います。私は現在,看護学生・看護師さんへの教育支援を行なう団体「Nursing academia」を主宰しています。大学院受験の無償指導や,オンラインでの専門書の輪読会,英語論文の抄読会,研究法や看護師のキャリア構築に関するセミナーを仲間とともに開催してきました。この団体を立ち上げた背景には,看護学生・看護師が「もっと研究のことを勉強したい」と思っても,なかなかアクセスできる学びの場がないのでは,という思いがありました。そこで,両者をつなげる場をつくれないだろうかということで,臨床と研究どちらの方にも参加いただけるようなテーマで今回のセミナーを開催することにしました。
今回は,看護師の皆さんが,現場で日々抱いている疑問や気になっていることを研究する上で,基本ではあるけれど現実にはなかなか難しいと思われるテーマを取り上げています。講師は,東京大学大学院公共健康医学専攻臨床疫学・経済学教室の森田光治良先生です。森田先生は私と同じ教室の先輩ですが,主にビッグデータを用いたデータベース解析を行なう特任研究員をされています。その一方で博士課程に在籍し,英語論文を中心に数多くのトップジャーナルに研究論文を発表して業績をあげられてきました。また日々,看護師や医師から研究上の相談も受けていらっしゃいます。詳しい自己紹介は森田先生にお願いすることにして,では森田先生,よろしくお願いします。
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