連載 助産研究をしよう 基本を押さえて臨床で活かす!・4
リサーチクエスチョンに出会うまで(2)—文献検討の実際
福澤(岸) 利江子
1
1筑波大学医学医療系
pp.318-323
発行日 2016年4月25日
Published Date 2016/4/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1665200465
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「○○について研究をしてみたいな……」という漠然とした気持ちから始まった「研究のための問い(リサーチクエスチョンの設定)」に行きつく前のプロセスは,まだスタート地点にさえ立っていないように見えます。料理で言えば,まだエプロンも着けずキッチンにも立っておらず,何をつくろうか考えたり,気になるレストランを食べ歩いたりしている段階。でも本当は,ここがいちばん重要でたいへんな部分かもしれない,ということを前回お話ししました。
そして,トピックに対する熱い思いや臨床経験に基づく信念などの主観的要素は,研究を前進させるのに欠かせない力になる反面,思い込み(バイアス)や間違い(エラー)を起こしてしまう可能性があります。そこで,できるだけ多くの人にとって意義がある科学的知識を生み出す研究にするためには,客観的に考える努力が常に大切だ,という主観と客観のバランスについてもお伝えしました。今回はその「客観」の部分を支える文献検討(レビュー)の方法についてお話しします。
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