特集 未来語りのダイアローグとオープンダイアローグ─看護研究における「開かれた対話」
オープンダイアローグ研究における私たちの試行─子ども虐待予防へのアプローチ
門間 晶子
1
,
野村 直樹
2
,
浅野 みどり
3
,
山本 真実
4
,
細川 陸也
1
,
佐藤 博文
5
,
白木 孝二
6
1名古屋市立大学看護学部
2名古屋市立大学大学院人間文化研究科
3名古屋大学大学院医学系研究科看護学専攻
4岐阜県立看護大学
5名古屋市立大学大学院医学研究科
6Nagoya Connect & Share
pp.147-154
発行日 2018年4月15日
Published Date 2018/4/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1681201494
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はじめに
本稿では,私たちが現在取り組んでいるオープンダイアローグ(以下,OD)研究について紹介する。私たちは,特にODを子ども虐待の現場に取り入れることをめざしてきた。取り組んでからまだ2年弱と短く,準備段階に近い状況ではあるが,これまで経験してきたことを可能な範囲でお伝えしたい。
本稿では,まず研究の着想と経緯から起こし,続いて「対話」や「オープンダイアローグ」に関する研究論文の動向,研究計画の立案や研究倫理審査の課題,フィールド探しとフィールドとの関係づくり,そして私たちが感じているOD研究の特徴について述べ,最後に,OD研究の手応えと可能性で締めくくる。研究活動については「私たち」の経験を踏まえて述べるが,時折「私」が登場するのは,筆頭著者の門間のことである。子育てにおける生きづらさに関心をもち,対話に基づいて子育てのことを理解しようとしてきた私は,ナラティヴの学習を通してODに出会い,惹かれ,迷いながらもフィールドに入っていくこととした。そんな初学者としての戸惑いを,さまざまな領域の共同研究者やスーパーバイザーに支えられながらどう過ごしてきたのかということも含めて,ご紹介することとしたい。
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