特集 未来語りのダイアローグとオープンダイアローグ─看護研究における「開かれた対話」
未来語りのダイアローグの実際と意義─「対話」のもつ力
川田 美和
1
1兵庫県立大学看護学部
pp.112-121
発行日 2018年4月15日
Published Date 2018/4/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1681201489
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対話(ダイアローグ)との出会い
筆者が,自身の所属する兵庫県立大学看護学部近隣の支援者仲間と一緒に「ひょうごオープンダイアローグを学ぶ会」を立ち上げたのは,2015年の秋頃である。精神科病院や訪問看護ステーション,グループホーム,就労支援機関などで実践している看護師や精神保健福祉士の仲間たちと,働く場や職種を超えて共に学び合い,語り合う場となることをめざしてスタートした。
オープンダイアローグ(以下,OD)は,フィンランドで開発された,急性期の統合失調症患者に対する対話による治療的アプローチである。筆者が会を立ち上げたのは,ちょうど精神科医の斎藤環氏(筑波大学教授)の著書『オープンダイアローグとは何か』(2015)が出版され,精神科医療界全体から注目され始めた頃だった。本稿では,ODに関する詳細は省かせていただくので,ご興味のある方は,ぜひ成書を参考にしていただきたい(斎藤,2015;Seikkula, & Arnkil, 2006/高木,岡田訳,2016など)。
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