特集 介入研究をどう進めるか
介入研究のこれまでとこれからの展望
西垣 昌和
1
1京都大学大学院医学研究科人間健康科学系専攻
キーワード:
介入研究
,
Evidence Based Practice
,
学際交流
,
研究のトレンド
Keyword:
介入研究
,
Evidence Based Practice
,
学際交流
,
研究のトレンド
pp.360-366
発行日 2016年8月15日
Published Date 2016/8/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1681201275
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看護学の目的は,病とともに生きる人々や,健康の保持増進を望む人々を支援するための知を蓄積することである。この目的のためには,対象とする人々になんらかの支援を提供し,その効果を検証することを目的とした介入研究が,看護学の研究において重要な位置づけにあることはいうまでもないだろう。より現実的な観点としては,超高齢社会の到来により看護職が果たすべき役割はますます大きくなり,さらに診療報酬改定において「アウトカム重視」がキーワードとされた。これらのことから,患者アウトカムの向上につながる看護のエビデンスが医療全体に与える影響は大きいといえ,看護の介入研究によるエビデンスの蓄積が期待される。
このようなニーズの高まりの中で,いま看護学研究者に求められる介入研究のリテラシーは何か。本稿では,まず看護における介入研究のこれまでについて振り返り,その重要性と問題点を確認したい。次に,介入研究をデザイン・実施する上で整備すべき基盤について総論的に示したのちに,最後に看護学領域の研究の動向を踏まえて,介入研究の展望に関する意見を述べる。
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