特集 NP教育の成果を探る─自律したHealth Care Providerをめざして
〈座談会〉診療看護師(NP)の新たな発展をめざして─活動の成果とこれからのビジョン
草間 朋子
1,2,3
,
村嶋 幸代
3,4
,
真田 弘美
5,6
,
深井 照美
7
1東京医療保健大学
2東京医療保健大学大学院看護学研究科
3一般社団法人日本NP教育大学院協議会
4大分県立看護科学大学
5東京大学大学院医学系研究科
6公益社団法人日本看護協会
7独立行政法人国立病院機構大阪医療センター
pp.468-477
発行日 2015年8月15日
Published Date 2015/8/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1681201161
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
- 参考文献
診療看護師としての活動の成果
草間(司会) 2025年に向けて,いま,医療制度が大きく変わりつつあります。その中で,昨年6月に「医療介護総合確保推進法」が通りまして,その一環として保助看法も昭和23年に制定されて以来初めて看護師の業務に踏み込んだ改正が行なわれました。「特定行為に係る看護師の研修制度」として法制化されたことで,診療看護師(NP)に関連するいままでの私たちの取り組みがようやく認められつつあることを実感しています。
診療看護師は,医療界にとって大きな課題である2025年問題の解決に向けての重要なキーパーソンになると考えています。現在,診療看護師を養成する大学院は全国で7校あり,修了生は2015年3月現在で200人を超えており,素晴らしい活躍をされています。制度の施行は本年10月からですが,制度化に至るまでの間,厚生労働省が平成23年に養成試行事業,24年に業務試行事業という2つのモデル事業を立ち上げました。モデル事業を通して,診療看護師の実績が出てきているところかと思います。診療看護師をさらに定着させ進化させていくには,これからしっかりエビデンスを創出し,公表していくことが大変重要だと思います。そのためにも,わかりやすく納得が得られるアウトカムを形で残し,それを基盤に学問として成長させていく必要があります。本日はそのあたりを中心に議論したいと思います。
Copyright © 2015, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.