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はじめに
松江市国民健康保険来待診療所(以下,当診療所)は,島根県東部,松江市宍道町の来待地区に位置し,市町村合併により2005年から松江市の一部となった。人口は約3000人,高齢化率は32.0%の田畑山林の広がる地域である。島根県は,2025年の高齢化率が36.4%と推定され(国立社会保障・人口問題研究所ホームページhttp://www.ipss.go.jp/pp-shicyoson/j/shicyoson13/2gaiyo_hyo/gaiyo.aspの結果表3 3),今後の10年間で,在宅医療の体制をできるだけ構築することが課題とされている。
当診療所は,第2種へき地診療所として地域住民に24時間365日の外来・在宅医療を提供している(表1)。今後は地域の病院において,入院患者の在宅復帰が進むなか,在宅療養の受け入れ拡大が求められている。特に診療所は,在宅医療において中心的な役割を担うため,新たな取り組みを行ないながら,地域包括ケアシステムの構築に向けて貢献することが期待されている。
当診療所では,医療機関の訪問看護事業所が全国的に減少するなかで(厚生労働省ホームページhttp://www.mhlw.go.jp/toukei/list/45-1.html),診療看護師(Nurse Practitioner;以下,NP)を中心に,外来の効率化や終末期患者をはじめとした在宅患者の受け入れの拡大に取り組んでいる。
筆者は,当診療所でプライマリケアのNPとして,2013年から活動を始め,今年で3年目を迎えた。診療所の外来と在宅で活動を行ないながら,多職種との連携・協働のもとで,少しずつ成果が表われ始めている。以下に活動内容と成果を報告する。
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