連載 Journal Watch 海外の看護学研究から学ぶ・3
申し送りにみる文化
佐藤 可奈
1,2
1宮城大学看護学部基礎看護学
2前東京医科歯科大学大学院看護システムマネジメント学博士後期課程
pp.296-298
発行日 2015年6月15日
Published Date 2015/6/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1681201105
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今回のJournal Watchでは,Journal of Nursing Management(JNM)誌の第22巻3号,同誌22巻4号,Journal of Clinical Nursing(JCN)誌の第23巻11-12号掲載分の論文が対象になりました。
今回,特に参加者の関心を集め議論がされた論文は,オーストラリアの病院の救急部門(Emergency Department;以下,ED)で実施された,ベッドサイドにおける申し送りについての患者の見解を報告する質的研究論文でした。看護師の勤務交代時の申し送りには,ケアの継続性や安全の確保のための情報伝達という主な機能のほかにも,報告し合う場の形成,意見交換,感情表現(懸念,ストレス,無力感,フラストレーションなど)の機会,仲間によるサポート,社会集団規範の分与,看護スキルの手本の提示,集団の一体化の促進,チームビルディングなどの機能があるとされています(Poletick & Holly, 2010)が,これらは申し送りの方法によっても影響を受けます。
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