連載 UCSFで看護研究を学ぶ・3
博士課程でのコースワークとUCSFにおける多様性
齋藤 真希
1,2
1東京医科歯科大学大学院保健衛生学研究科博士後期課程リプロダクティブヘルス看護学分野
2University of California, San Francisco, School of Nursing, Special Studies Program
pp.300-302
発行日 2015年6月15日
Published Date 2015/6/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1681201106
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PhDコースのコースワーク
カリフォルニア大学サンフランシスコ校(以下,UCSF)での5年間の博士課程(PhDコース)では,最初の2年間でコースワークがあります。1年目は,看護学研究法,哲学,看護理論,統計など基礎的なことを学びます。看護学研究法は,質的研究法と量的研究法の2つに分かれていて,それぞれの研究法の専門家が講義を担当しています。1年目の院生は,質的研究法のクラスも量的研究法のクラスも両方履修し,自分が関心のある研究課題についてさまざまな研究デザインを検討する中で,質的研究法を選択するのか量的研究法を選択するのかを決めていきます。2年目になると,自分の選択する研究法に合わせて,質的研究法か量的研究法のどちらかの応用クラスを履修することになります。
私は主に,質的研究法のクラスに参加していました。1年目の秋学期のクラスでは,主にグラウンデッドセオリー,現象学,エスノグラフィーに焦点を当てて,質的研究法について学びます。その研究法を用いて実際に研究をしている教授が,講義を行ないます。例えば,私のアドバイザーのAudrey Lyndon先生は,グラウンデッドセオリーで研究をしており,同じく講義も担当していました。院生はこの講義を通して,自分が取り組む研究課題ではどういうリサーチクエスチョンが成り立つのか,どの研究法を選択するのが妥当なのかを考えることになります。
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