特集 医療権力論─看護界・医療界はいま
看護師は医療という権力装置の尖兵であるという自覚をもつべきである─医療権力論,revisited & reflected
中木 高夫
1
1天理医療大学医療学部看護学科
キーワード:
権力
,
医療
,
尖兵
,
権力装置
Keyword:
権力
,
医療
,
尖兵
,
権力装置
pp.216-221
発行日 2015年6月15日
Published Date 2015/6/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1681201091
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はじめに
看護師は患者の擁護者であると自ら語る。しかし,ぼくはそうは思わない。自分自身を患者の擁護者であると無反省に思い込んでいる看護師は,医師は逆に患者にとって侵害者であり,必ずしもいつも患者に最善のことを行なっていないと思っているのだろう。
このように言い切ると,ぼくと仲のよい看護師たちは「看護師全員がそう考えているように書かないでよ!」とクレームの声をあげそうだ。
確かに,個々にみていくと,そうでない看護師は大勢いる。しかし,《権力》という視点を持ち込んで,医療を権力装置という視点でみるとき,すべての看護師はその権力装置の尖兵であることから抜け出すことはできない。だから,言い切ってもよい。
しかし,言い切られることに不快感を示すぼくの仲のよい看護師たちは,医療という権力装置の中の尖兵であるということを自覚し,自分の行なってきたこと,行なっていることを再考(revisited)し,反省(reflected)して,毎日を過ごしているような人たちであることは申し添えておく。
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