特集 医療権力論─看護界・医療界はいま
扉
中木 高夫
1
1天理医療大学医療学部看護学科
pp.215
発行日 2015年6月15日
Published Date 2015/6/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1681201090
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医療者は,医療者の理解したことを患者に語りかける。しかし,その語りは決して一般の患者さんが容易に理解できる言語体系にない。いわゆる「看護師語」「医者語」である。だから,医療者の理解していることが患者に伝わらない。
医療者には温情主義者が多いが,これを英語だとパターナリズムと呼ぶ。たとえ患者のためを思う言葉であっても,患者が苦しむ原因になることもある。というより,よかれと思っているからこそ,その言葉が孕む無言の圧力の存在に気づきにくく,患者の苦しみに接近できなくなる。
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