Sweet Spot 映画に見るリハビリテーション
「十三人の刺客」―権力の座についた反社会性人格障害者の思考と行動
二通 諭
1
1札幌学院大学人文学部人間科学科
pp.197
発行日 2011年2月10日
Published Date 2011/2/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552101985
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反社会性人格障害者が権力の座につけば,当然ながら暴君になる.「十三人の刺客」(監督/三池崇史)の敵役である明石藩主・松平斉韶(稲垣吾郎)がこれに該当する.
思い余ってその非道を切腹という手段で告発した者がいれば,穏便に処理するという方針を聞き入れず,自ら弓を引いて,その者の5歳の孫も含めて一族郎党を容赦なく殺すし,厳しい年貢の取り立てに困り果てた農民が一揆を起こせば,やはり,首謀者の家族を娘一人除いて皆殺しにする.娘は,両手足と舌を切り落とされ,性の玩具となる.参勤交代の際,他藩領内で泊をとれば,手伝いに動員されていた若妻を強姦.その夫も刺し殺す.
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