連載 とらうべ
なぜ,今,子どもの権利?—問われる親の内なる権力
福田 雅章
1
1一橋大学法学部
pp.619
発行日 1994年8月25日
Published Date 1994/8/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1611901070
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今年5月22日,159番目の締約国として,ついにわが国も,国連総会で採択されていた「子どもの権利条約」の仲間入りを果した。
現在の日本には餓死も戦争もない。大戦後,世界一の経済発展を遂け,教育も医療も行き届き,ずっと平和を享受している。一見すると,わが国の子どもたちは,世界一幸せであり,自由であるように思える。しかし,本当に日本の子どもたちは,健やかに人間として成長発達していくにふさわしい機会を与えられ,またそのための「愛」と「保護」を現実に受けているのだろうか。私には疑問に思えてならない。
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