英語論文へのアプローチ
考察論(2)
内海 滉
1
1千葉大学看護学部附属看護実践研究指導センター
pp.231-242
発行日 1987年1月15日
Published Date 1987/1/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1681200921
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で,筆者なら,今回の論文がどのような考察になるのか,考えてみることにした。はなはだ僣越なことではあるが,これだけ考察のあり方を論じたのであるから,自分としても,その理想的な範例を示さなければならないだろうと考えるに至ったのである。実験データの読みにおいての誤解もあろう,英作文において初歩的な文法ミスもあろう,それを敢えて冒すことは,そうすることが読者への親しみをもった接近ともなり,こんなことなら自分たちにもできるという励ましにもなると思ったからである。
そこで,今回の「実験」に目を向けることにする。これほどまでに努力を払って実験を行なった上は,実験を行なったという事実を,何としても記録に残すべきである。また,その意図と解釈とを人々に理解してもらわねばなるまい。前者が「実験の方法」であり,「実験の成績」である。後者が「緒言」または「実験の目的」であり,「考察」となるわけである。今,原文の「緒言」と「考察」と「実験の方法」と「実験の成績」とを見比べながら,そのあとで言えることは何なのか,何を考察すべきかを考えてみることとする。
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