特集 耳鼻咽喉科におけるショック様症状とその対策
〔総論〕
発現機序の考察〔2〕
岩田 逸夫
1
1名古屋第一赤十字病院・耳鼻咽喉科
pp.985-998
発行日 1963年12月20日
Published Date 1963/12/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1492203155
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はしがき
ショックなるものの適切な定義は今日なお確定していない。ショックといってもその原因は単一でなく,アナフィラキシー,薬物(ペニシリン,コカインなど),外傷あるいは手術侵襲によるものなどがあり,症状も軽重,発現様式の種々相があり一言に尽しがたい。しかし臨床的な特徴は低血圧,血管拡張,組織酸素欠乏,心障害という共通な状態を突如として発来し,可逆性な場合もあるが死に至る程不可逆的なものもある。私はペニシリン,ショックおよび疼痛(外傷,手術による)性ショックによつて上記の諸症状の発現する機序について考察を試みたいと思う。
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