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特集 精神分裂病の診断基準—とくに“Praecoxgefühl”について
第63回日本精神神経学会総会シンポジウム
Praecoxgefühlに関する自覚論的考察
Phänomenologische Betrachtungen über "Praecoxgefühl"
木村 敏
1
Bin Kimura
1
1京都大学医学部精神科
1Psychiatr. u. Nervenklinik der Univ. Kyoto
pp.120-125
発行日 1967年2月15日
Published Date 1967/2/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1405201154
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I.はじめに
本日のテーマは「分裂病の診断基準としてのPraecoxgefuhl」ということであり,他の筆者の発表もだいたいその線に沿つているようであるが,同じPraecoxgefühlという言葉を用いながらその意味内容は筆者によつて多少のずれを示しているように思う。この種の議論にあたつては,まず議論の対象をはつきり概念的に固定しておくことがなによりも必要なことなのであつて,不可規的な対象を論じる精神病理学の分野においてはこの要請はことに重要な前提となつてくると思われる。そこで私は,与えられたテーマからはややはずれることになるかもしれないが,臨床的な諸問題はひとまず括弧に入れたうえで,臨床精神医学に対する基礎医学ともいうべき立場からPraecoxgefühlの本質構造といつたごときものについて論じてみたい。
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