焦点 看護行為に関する評価研究
解説
臨床心理におけるカウンセリングの評価について
遠山 敏
1
1山口大学医療技術短期大学部
pp.435-439
発行日 1985年10月15日
Published Date 1985/10/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1681200851
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はじめに
カウンセリングの定義には,人によって若干の差異があり,特に心理療法との異同が問題となるが,ここでは心理療法とほぼ同義と考え,「言語的および非言語的方法によって,クライエントに対する心理的援助を行なう人間関係」と規定したい。この規定でも明らかなように,カウンセリングは,人間に対する援助行為の1つであり,その援助がクライエントに効果的であったかどうかを主眼とする,カウンセリング行為に対する評価は,当然とりあげられるべき大きい問題であると考えられよう。
しかし実際には,カウンセリングの著書や論文などには「評価」という項目のあるものはごく少ない。これにはいくつかの理由があると思われるが,1つには,クライエントの問題には,個々の内的な問題が深くかかわっていることが多く,それに対する援助の効果を,操作主義的に測定することが困難であることによるのであろう。
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