焦点 人間を対象とする研究のむずかしさ
解説
人間理解のための一考察
横田 碧
1
1千葉大学看護学部
pp.1-8
発行日 1984年1月15日
Published Date 1984/1/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1681200775
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はじめに
人間とは,その感情,性格思考方法,行動形態,その他もろもろの面において,千差万別な生き物である。しかも,人間は,生きて,動いて,常に変化している。看護は,そのような人間を対象として活動しているのであり,実践面だけでなく,研究面においても,人間をひとりひとり別個な個として,また,変化しているものとしてみることを基盤として考えていかなければならない,といわれている。
しかし,個を個としてのみみていたのでは,理論は発展していかないであろう。すなわち,心理学や教育学といった学問の進歩の歴史をみればわかるように,人間を対象とするあらゆる学問は,個々人をさまざまな側面から分析し,再整理して,そこに共通する要素をみつけ出し,それらの要素間の関係や性質を抽出することによって,理論化を進めてきたわけである。
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