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病院経営の一考察
宮崎 貞雄
1
1志免鉄道病院
pp.41-44
発行日 1955年12月1日
Published Date 1955/12/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541201040
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企業形態として
日本経済の脆弱性に胚胎した企業の衰徴か景気循環の一過程のための不振か被占領後アメリカ依存経済による為政者の失政の余波か,兎に角主たる経営の事業が収支の均衡を破つて赤字経営を続くる経堂困難の今日,独り病院経営のみが超然と赤字経営をほしいままにすることは許されない,という理由の下に診療単価(事業体特有の低単価で現行単価では独立採算制はできない)の値上げによる病院収入の増加を計り,主たる事業の再建の一翼を荷うべくであると強い要請をうける急迫した病院の現段階こなつたのであるが,然しながら診療単価の値上りは,主たる事業の従事職員の収入(間接収入)との因果関係もあつて,実施の運びにはならなかつた。
一つの事業の附属施設としての病院経営であつてみれば,主たる事業の消長に伴い病院経営の伸縮がコントロールされる事は否定できない一つの事実である。資本主義社会の経済機構の中に育まれ発展してきた結果として,その企業経営が資本主義社会の経営機構の中に消長浮沈することを脱することはできない。
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