焦点 事例研究と看護における予測性
実践報告
予測をもって看護すること—不安をもつ手術前の患者との対応から
佐々木 裕子
1
1群馬大学医学部付属病院
pp.287-293
発行日 1980年10月15日
Published Date 1980/10/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1681200627
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はじめに
看護は,予測を持ち,意図的に働きかけ,その反応をありのままにとらえることから始まる。しかし,日頃の看護の中で,その場,その場の対応では,偶然的であり,その場の思いつきで処理していることが多い。その場に臨んでの対応の必要性や,急を要することであれば,偶然性や思いつきで対応することも当然であるが,その対応について,後から評価を加え,検討することも怠りがちな現状である。改めて,看護の実践を検討し,私との対応が患者にとって本当に良かったか,どうか,また,良かったとしたら,どうしてなのかを考えて,更に次の看護実践を行うのでなければ,発展性が少ないことがわかった。そこで,実際に,患者と対応する時は,ある予測を持ち,1つ1つ考えながら取り組むことを私の課題にした。
今回,私と患者の初対面から,患者への援助になるまでの取り組みのプロセスを再構成し,その中での予測の必要性,予測とその結果との関係を探ってみることにした。
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