カンファレンス・4 北里大学病院外科病棟
手術に対する不安をもっていると思われる患者について
古庄 富美子
pp.454-456
発行日 1973年4月1日
Published Date 1973/4/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661916618
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○○さんの病棟での生活は,昼は同室者とにぎやかに過ごしており,看護婦に対しても冗談をよく言って,なんの心配もないようにみえる。今回の手術に対する決心もついたかにみえていたのに,ある日,外泊して,帰室し,非常に落ち着かない状態,不眠があり,いつもの○○さんにみられない行動をした。それで,ある看護婦が,医療に対する不信感があるのではないのかと問題を提起した.それを中心として,準夜との申し継ぎの段階で,カンファレンスをもった.
見方によれば,主任看護婦が,○○さんと面接し,問題を解決してもよいが,手術を受け,その術後,リハビリテーションと続く過程において,数多くのメンバーによって看護することになるため,みんなの問題としてチーム員全体が知っている必要があると思われる.表面,快活に,冗談ばっかりの面しかみせない人の内面にある不安が,注意して観察することによって明らかになること,誰もが,いろんな形で,援助を必要としていることを学んだ例である.
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