焦点 事例研究と看護における予測性
実践報告
術後肺合併症から脳障害を残した児の看護—離乳への援助
森野 久良琅
1
,
田村 千苗
1
,
古賀 順子
1
,
森田 澄子
1
,
泉 彩子
1
,
田中 春美
1
1神奈川県立こども医療センター・新生児乳児外科病棟
pp.277-286
発行日 1980年10月15日
Published Date 1980/10/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1681200626
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はじめに
直腸総排泄溝は,直腸肛門奇形の女児高位病型の中では,もっとも多い病型である1)。人工肛門造設後は,家庭に帰り体重増加を待って次の手術に移るのが一般的だが,高位型では便のコントロールが困難で,体重増加が思わしくなく,尿路感染等の問題もある。
本児も人工肛門造設後は,退院に至るものと思われていたが,上気道感染から膿胸・気胸を併発し,さらに低酸素による脳障害を残すに至った。急性期症状を持つ児,入退院の比較的激しい当病棟の中で,出生直後から2歳4か月の現在まで長期入院を余儀なくされている本児の看護を通して,我々は数多くのものを学んだ。その中から今回は,発達障害の著しい児が離乳食を完了し,幼児前期食に移行しえた過程を報告し,我々の長かった本児の看護の反省の機会としていきたい。
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