焦点 安静—その科学的根拠を探る
研究
安静度と看護活動の必要度との関連性
青木 和夫
1
,
渡辺 亮一
1
,
津田 佳世子
1
1東京大学医学部保健管理学教室
pp.193-203
発行日 1978年7月15日
Published Date 1978/7/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1681200556
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はじめに
患者に対して,ある看護サービスが必要であるか否かを決定する際,根拠となる患者情報は何かについて行った調査の中で,安静度をあげるものが多くみられた1)2)。このことは看護婦が,安静度を自ら行う看護サービスの意志決定のための根拠としていることを物語っている。
安静度は,医師によって決定され,指示される。患者の病状に応じて処方される運動量の処方であり,必ずしも機能的に不可能であるからという意味からではなく,むしろ,病状のための治療法の一つとして,運動・動作の制限を指示するものである。したがって,患者の行動範囲が限定され,それによって,患者の生活行動内容が制限されたり,健康時の生活様式の自立不能が起こってくる。このことから,看護婦は,患者が運動制限を守りつつ,療養生活を営むことができるように,援助内容,方式の決定にせまられる。
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